人間でも歯のトラブル予防のため、オーラルケアの必要性が広く知られていますが、
これはワンちゃんにとっても同じです。
口臭の原因の大半は、歯にあります。
75%の1歳以上の犬猫の歯には何らかの問題を抱えています。
4歳以上の半数はすでに歯周病に掛かっているとも言われています。
歯垢、歯石、歯肉炎を通り越してすでに歯周病なんです!
歯周病は、その状態になると完治することはできません。
いずれ歯が抜けるのを待つしかありません。
歯のトラブルの初めは必ず歯垢です。放って置かれた歯垢が唾液中のカルシウムと細菌によって歯石になります。
歯石は、バイ菌のかたまりです。歯石は歯肉をむしばみ歯槽骨を侵しながら血液中へ細菌をばらまき続けます。
言わずとも歯は、生き物にとってなくてはならない大事なもの。歯の異常により食事の変更を余儀なくされるばかりでなく、心不全、腎不全、肝不全、免疫力の低下、腫瘍の発生など命に関わる問題になってきます。
そこで当院では2つの対処をお勧めします!
9才メス キャバリア
これぐらい健康な歯が保てるように!
1.日常的なデンタルケアー |
---|
飼主さまと良く話し合いながら |
2. 年に1回の完全な歯科処置 |
---|
病院にて鎮静処置下で不安やストレス、 |
お口の問題この機会に是非お考えください。ご相談お待ちしております。
・1歳以上10歳未満のワンちゃん・猫ちゃん 年に1回、軽い鎮静麻酔下での歯石除去をおすすめしています。
・8歳以上のワンちゃん・猫ちゃんは健康診断のうえ治療の判断を致します。
歯石除去 治療前
歯石除去 治療後
(歯周病レーザー治療中)
歯周病の治療には、獣医による歯石除去と、歯周病の原因菌の増殖を阻止する抗生物質の投薬があります。
特に、老齢などで全身麻酔下での歯石除去が難しい場合には、抗生物質が効果的です。
その中でも特に、歯肉内に薬剤が十分ゆきわたり、歯周病の原因菌に対する抗菌力が強い抗生物質が最適です。
歯周病とは・・・?
犬の歯は本来白色ですが、2~3歳位になると歯垢(プラーク)や歯石がたまり、根基が茶色くなってきます。歯垢の中にすむ細菌は、歯肉に炎症(歯肉炎)を起こし口臭が生じます。これに飼い主が気づかないでいると歯の根元まで炎症が拡がり(歯周炎)歯がグラグラになります。
これら歯肉炎と歯周炎を合わせた病名を歯周病といいます。
歯周病を放っておくと?
犬は歯周病になると口の中が痛いため、食事の好みや食事量が変化したり、活動が鈍くなったりします。
歯周病が進行すると、物を食べたり噛んだりした時に歯肉が傷ついて出血しやすくなります。歯垢の中にすむ細菌は、歯肉の傷から血液の中に入り全身の主要臓器へ運ばれて感染症を引き起こします。特に血液が豊富に流れる肺、心臓、肝臓、腎臓などでは、重大な病気が発生しやすいといわれています。また、時には神経系への感染もみられます。
軽度 |
---|
歯肉が炎症を起こして腫れ、歯周ポケット(歯肉が歯から離れてできた溝)ができます。 |
中等度 |
---|
歯周ポケットがさらに深くなり、歯を支えている歯槽骨が溶け(30~50%減少)歯がぐらつきはじめます。 |
重度 |
---|
歯周ポケットは8~10mmと深くなり、歯槽骨は半分以上溶けた状態になります。 歯はかなりぐらつき、最後には抜けてしまいます。 |
デンタルケアには色々な方法がありますが、もっとも効果的なのはやはり歯ブラシを使った「歯みがき」です。
歯みがきが苦手なワンちゃんは多いですが、段階を追って根気よく馴らしていけば、多くの場合受け入れられるようになります。
ポイントは飼い主さん自身が焦らず楽しみながら取り組むこと。急いでやろうとしてワンちゃんを無理に押さえつけたり、いきなり口に歯ブラシを入れるのは歯みがき嫌いの原因になります。
最初は歯ブラシなしの練習からはじめ、「指で触る→ガーゼでこする→ブラッシング」という三段階で慣らします。
一つできたら必ずほめてあげれば慣れも早くなるでしょう。
また、最初は短時間できり上げ、終わったら散歩に行く、おやつを与えるなど楽しいこととセットにするのも効果的です。
歯周病などのトラブルを防ぎ、お口の健康を保つためには、歯垢を溜めないこと。そのためにこまめなケアを心がけましょう。
上あごの犬歯や臼歯(奥歯)は特に歯垢がつきやすいので注意しましょう。
STEP1 口に触られることに慣らそう |
---|
|
STEP2 ガーゼで歯をこすってみよう |
---|
口に触れられることに慣れてきたら、付属のガーゼを使ってワンちゃんの歯をこすってみましょう。ガーゼで歯をこするだけでも、歯垢をある程度落とすことができます。
|
STEP3 実際に歯を磨いてみよう |
---|
★歯ブラシはヘッドが小さく、毛が柔らかめのものがオススメです。 |
歯みがきの最大のポイントはワンちゃんの協力。
あせらず、デンタルガムなども取り入れながら少しずつ慣らしていきましょう
いきなり歯ブラシを口に入れると、多くのワンちゃんは嫌がります。
まずはワンちゃんが好きな食べ物(缶詰など)のおつゆなどを歯ブラシにつけて、においを嗅がせたりなめさせたりして「歯ブラシ=良いもの」と印象づけます。慣れてきたら、口の中に入れてみましょう。
最初は動かさず、口に入れることができたらほめてあげましょう。
歯ブラシをかじってしまってもOKです。
初めてブラッシングに挑戦するときは、ヘッドが小さく毛が柔らかめの歯ブラシを選びます。
動物の歯みがきペーストもありますが、歯ブラシに水をつけただけでも大丈夫です。(人間の歯磨きペーストは発泡剤が含まれているため使えません。)歯磨きは、前歯の外側から初めて、様子を見ながら徐々に奥歯に歯ブラシを移動させましょう。
「デンタルガムで歯の健康をサポート」 歯垢・歯石のコントロールには毎日の歯磨きが最善の方法ですが、全ての飼い主さんがワンちゃんの歯みがきトレーニングをしっかり実行出来るとは限りません。牛のひづめや硬いおもちゃなどで歯みがきがわりに考える飼い主さんもいらっしゃいますが、硬すぎて逆に歯が折れたり、すりへったりしてしまいます。デンタルケアの観点からは硬いものより適度な弾力性のあるものの方が良いのです。 優れたデンタルガムは、飼い主さんには便利で安全、ワンちゃんにはおいしく歯みがきできるという両者にとってうれしいものです。 |